共有物分割訴訟を起こした上で持分を売却して和解により解決した事例
事例
父から相続により兄弟が3分の1ずつの持分を取得しました。
その後、兄弟間で千葉市美浜区の土地の利用方法について合意ができなくなりました。
三男は共有持分を売却したいと思いましたがなかなかうまくいかず、弁護士に相談をしました。
- 解決までの道筋
- 話し合いによる解決が理想ですが、今までの経緯からして話し合いによる解決はほぼ不可能な情勢でした。そのため、弁護士が代理して共有物分割訴訟を起こすことにしました。
共有物分割訴訟の中では、
(1)三男の持分を長男・次男に売却する方法結果として、三男の持分を時価に近い金額で長男・次男に売却する方法による和解が成立しました。
(2)三男が長男・次男の持分を購入する方法などを検討しました。
解決のポイント
1. 共有物分割訴訟は話し合いがまとまらないときに取るべき効果的な手段です。
裁判手続きですので最終的には裁判官が強制的な判断をします。
また、強制的な判断権限を持つ裁判官が和解交渉で間に入ってくれることにより、裁判外では話し合いができなかった状況が改善され、話し合いによる解決ができる可能性が高まります。
2. 共有物分割訴訟の場合
(1)土地の現物を分筆して分ける。
(2)共有持分を他の共有者に売却して分ける。
(3)競売により不動産を売却して売却代金を分けるという解決方法があります。
(2)共有持分を他の共有者に売却して分ける。
(3)競売により不動産を売却して売却代金を分けるという解決方法があります。
裁判所の判断の順序としては、(1)→(2)→(3)の順序で検討していくというのが一般的です。
(ただし、裁判提起後に当事者間で合意ができた場合にはどのような合意内容でも合意は成立して解決となります。)
3. 共有物分割訴訟では争点が比較的限られていますので、1年以内に解決となることが多いです。
ただし、不動産価格で合意ができず不動産鑑定士による鑑定をすることとなってしまうような場合には1年~2年位解決までの期間がかかることがあります。
4. 共有持分のみの第三者への売却も可能ですが、価値が低くなってしまうことが多いです。
そのため、共有持分を第三者へ売却する方法は、早期に資金を得たいときや共有関係から早期に離脱したい場合などに利用するのがよいでしょう。
※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承下さい。