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一筆の土地の一部について明渡しを行う場合、どのように土地を特定するのですか

土地家屋調査士に依頼をして土地を実測し、対象の範囲を明確にして図面をつけることとなります。

回答者:弁護士 大澤 一郎

広い土地の一部にある小屋

一筆の土地の一部も明け渡しの対象となる

土地を所有しているとき、たとえば、広い土地上の一部分に小屋や納屋などを建てられている場合など、土地の一部を第三者に不法占有されているケースがあります。
このように、土地の一部を勝手に使われている場合には、その一部について、明け渡し請求することが考えられます。
ただ、土地は「筆」という単位によって管理されていますから、基本的には一筆の土地ごとに明け渡し請求をすべきです。一筆の土地の一部だけを対象として、明け渡し請求をすることは、可能なのでしょうか?

この点については、肯定的に捉えられています。
明け渡し請求だけではなく、一筆の土地の一部のみを譲渡することも可能ですし、一筆の土地の一部を時効取得することなどもできると考えられています。

特定されない限り、明け渡し請求は認められない

ただし、どのようなケースでも、一筆の土地の一部の明け渡しや譲渡、時効取得などが認められるわけではありません。
一部について明け渡しを求めるためには、当然明け渡しの対象となる部分を明確にしなければならないからです。実際に、土地のどの部分が明け渡し対象になるのかが明らかになっていなかった事案において、土地の明け渡しを命じる判決が違法であると判断された事例もあります(東京高裁昭和42年11月27日)。
判決が違法になると、当然無効となりますから、土地の一部の特定ができていないと、明け渡しは認められないのです。この事案では、土地の所在地番のほか「山林三反四畝歩のうち東部の宅地一三九坪」という記載があっただけでした。その他には、裁判の記録の中にも、明渡しを命じる土地の範囲がどの部分になるのか、特定する手掛りがないという理由で、原判決が違法と判断されたのです。

一筆の土地の一部を特定する方法

それでは、一筆の土地の一部を特定し、裁判所に説明をするときには、どのようにしたら良いのでしょうか?
通常の一筆の土地の場合には、対象の土地の全部事項証明書(土地の登記簿謄本)をつけて、裁判所に提出したら、その土地を特定することができます。しかし、一筆の土地の一部の場合、それだけでは足りません。
全部事項証明書に足して、具体的に土地のどの部分を明け渡し対象とするのか、土地家屋調査士に依頼をして土地を実測して範囲を特定し、その結果の図面をつけておくべきです。
明け渡し請求部分の広さ(平米数)も書き込んでおきましょう。

このように、土地の一部の明け渡しを求める場合、特定方法に工夫が必要となります。正しい対処方法がわからない場合には、弁護士にご相談ください。

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