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不動産明渡しの強制執行とは何ですか?

不動産明け渡しの強制執行とは、権利のない者が不動産を占有しているときに、強制的に明け渡しをさせるための手続きです。

回答者:弁護士 大澤 一郎

不動産の明渡強制執行

不動産明け渡しの強制執行とは

不動産を所有していると、不動産の不法占有が行われるケースがあります。
典型的なケースが、不動産を賃貸に出している場合です。
この場合、賃貸借契約が終了しても、賃借人がそのまま居座り続け退去しないことがあります。

特に多いのが賃料を滞納した賃借人に対し、賃料不払いを理由に解除したにもかかわらず、自主的に出ていかないケースです。
このようなとき、賃借人は、賃料を一切支払わないまま数ヶ月や1年以上でも物件を占有し続けるので、所有者は次の人に物件を貸すこともできず、多大な損害を受けることになります。
これ以外にも、不動産上に勝手に物を置かれて占拠されているケースや、占有屋を雇われて、嫌がらせで不動産を占有されている場合などもあります。

賃貸借契約の終了が終了しているにもかかわらず退去しない場合、所有者は建物の鍵を勝手に変えたりすることはできません(自力救済の禁止)。

このようなときに、利用できるのが、不動産明け渡しの強制執行です。不動産明け渡しの強制執行とは、不動産の不法占有者を強制的に退去させて明け渡しをさせる手続きです。
不動産明け渡しの強制執行をすると、不法占拠者を出ていかせることができるので、所有者は、不動産を自分の手に取り戻すことができます。
賃貸物件であれば、また新たな賃借人を探して賃貸に出すことなども、可能となります。

不動産明け渡しの強制執行の申立方法

不動産明け渡しの強制執行をするためには、裁判所の執行官に対する申立が必要です。
申立のためには、以下の書類を用意しなければなりません。

  • 債務名義
  • 送達証明書
  • 執行文

債務名義とは、判決書などの裁判所が作成した文書で、強制執行力を付与されたものです。具体的には、判決書、和解調書、認諾調書、調停調書などが該当します。

送達証明書とは、相手に債務名義が送達されたことを証明する書類です。債務名義を発行した裁判所の書記官に申請をして、取得します。また、前提として、調書等の書類を相手に送達しておく必要があるので、未送達であれば、送達申請から行う必要があります。
執行文とは、裁判所が「強制執行を認めます」ということを証するお墨付きのような文書です。これも、債務名義を発行した裁判所の書記官に申請をして、取得します。

これらの3種類の書類を揃えて、はじめて不動産明け渡しの強制執行の申立ができます。申立先は、不動産を管轄する地方裁判所の執行官です。

その後、執行官と打ち合わせをしながら、不動産明け渡しの強制執行の処分を進めていくことになります。

不動産の明け渡しを実現するときには、執行官との綿密な打ち合わせと準備が必要です。
弁護士によるサポートが非常に役立ちますので、お困りの際には、是非とも一度、ご相談ください。

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