スポンサーの援助を受けることで不動産の競売を免れた事例
お悩みの問題:不動産トラブルその他
担当弁護士:根來 真一郎
事例
依頼者の方は土地建物を所有し、毎月ローンの支払いを行っていましたが、諸事情により毎月の支払いが難しくなっていました。ローン会社は競売に向けた手続きを進めている状況で、依頼者の方は相談にいらっしゃいました。
- 解決までの道筋
- 状況をお伺いしたところ、現状のままでは住宅ローンの毎月の支払が困難な状況でした。そのため、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生(巻戻型)や不動産の任意売却も検討せざるを得ない状況でした。
しかし、状況をよく確認してみると、事業の毎月の収支が安定していたことから、スポンサーの援助を受けることができる可能性がある状況でした。もしスポンサーの援助を受けることができれば、スポンサーが債権者に一括で支払いを行い、以後は依頼者がスポンサーに毎月の返済を行っていくという方法をとることができます。この方法を実現することができれば、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生(巻戻型)や不動産の任意売却を行わずに済み不動産を守ることができます。そのため、なんとかスポンサーに援助をいただくことが必要となりました。
ところが、債権者が強硬に債権回収を迫り、競売の予告を行ってきました。そのため、スポンサーとの調整と並行して、債権者と引き延ばし交渉を行うこととなりました。
そして、スポンサーからどのような方法で援助を受けるか、スポンサーの銀行からの融資の状況、債権者との意思疎通等について調整を重ねました。また、債権者に対しては、スポンサーから援助を受けることができる可能性が高いので競売は待ってほしいと説得を続けました。
その結果、スポンサーが無事に資金を確保し、依頼者の方は援助を受けることができました。そして、当初の計画どおり、スポンサーが債権者に一括で支払いを行い、以後は依頼者がスポンサーに毎月の返済を行っていくという方法で不動産を守ることができました。
解決のポイント
依頼者の方の不動産を守るため、様々な解決方法の検討を行いました。スポンサーの援助を受けることは条件が揃わなければ実現できず、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生(巻戻型)や不動産の任意売却も検討せざるを得ない状況でした。そのため、スポンサーからの援助を受けられなかった場合に備え、その他の方法の準備も進めておきました。幸い、スポンサーからの援助を受けることができましたので、その他の方法を使うことはなく不動産を守ることができました。
※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承下さい。