Q.アパートの階段で転落事故があり、賃借人が怪我をしました。建物所有者の賃貸人に賠償責任はありますか

A.階段の設備を適切に管理していなかったことにより事故が発生したのであれば、賃貸人が賠償責任を負うことになります。

1.所有者の工作物責任とは?

賃貸アパートやマンションなどを経営していると、物件内で事故が起こるケースがあります。階段で転落事故が起こることもありますし、ベランダのてすりが緩んでいたので、窓から転落するケースなどもあります。このように、物件内で事故が起こった場合、賃貸人はどこまで責任を負うのでしょうか?

この場合「工作物責任」という責任が問題になります。工作物責任とは、土地の工作物の設置や保存に瑕疵があって人に損害を与えた場合、工作物の占有者や所有者が責任を負う、という損害賠償責任のことです。工作物とは、土地上に設置された設備ですから、土地上に建てた物件は工作物となります。また、共用部分の階段やエレベーターなどを占有しているのは大家ですから、これらの場所で事故が起こったとき、その設備の状況に問題があったら、大家が責任を負う可能性があります。

2.工作物責任が発生するケース

それでは、工作物責任が発生するのは、具体的にどのような場合なのかを見てみましょう。

2-1.占有者の責任

工作物責任が発生する場合には、まずは占有者に責任が発生します。占有者とは、実際にその設備を使っている人のことです。賃貸物件の場合、共用部分の階段などについては大家が占有者となります。

ただ、占有者の責任については、占有者自身が相当の注意を払っていたら、免責されます。

2-2.所有者の責任

それでは、大家が相当の注意を払っていたら、大家は責任を負わずに済むのでしょうか?

実は、工作物責任には所有者の責任も定めています。これによると、占有者が相当の注意を払っていて責任を負わない場合には、所有者が責任を負うとされます。この所有者責任は無過失責任なので、大家に過失がなかったとしても免責してもらうことができません。

そこで、共用部分はもちろんのこと、賃借人が占有している場所であっても、賃借人が相当の注意を払っていたら、所有者たる賃貸人が責任を負います。

3.設置保存に瑕疵があると言われないように注意しよう!

以上のように、賃貸物件を経営しているとき、物件の保存に瑕疵があると判断されたら大家は責任を免れることが難しいです。

階段やエレベーター、ベランダの手すりなど、危険が発生しそうな部分については特にしっかりと点検して、問題があったと言われないように万全の対策をとっておきましょう。転落の危険がある窓などには、必ず柵や手すりを設置しておくべきです。


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