Q.建物の賃借人の破産手続が開始した場合,賃貸人側から賃貸借契約は解除されてしまいますか

A.解除されることはありません。ただし、賃料の滞納などがあると、解除される可能性があります。

1.賃借人の破産は賃貸借契約の終了原因になっていない

建物の賃貸借が行われているとき、賃借人が破産してしまうことがあります。個人が破産するときもテナントの事業者が破産することもあるでしょう。 このような場合、賃貸人から賃貸借を解除されることがあるのでしょうか?賃借人の破産が賃貸借の終了原因になっているのかが問題です。

1-1.民法の規定

まず、民法の規定がどのようになっているのかを見てみましょう。

この点について、以前の民法では、賃借人の破産が賃貸借契約の終了事由になると

定められていました(旧民法621条)。しかし、破産法が改正されるのに伴って、この民法の規定も削除されたため、現在はこの規定は残っていません。そこで、法律により、賃貸人から契約の解除をされることはありません。

1-2.特約によって解除されるのか?

それでは、賃貸借契約において、「賃借人が破産したときには賃貸人から契約の解除ができる」という内容の特約が制定されている場合、その特約にもとづいて賃貸人が契約を解除することができるのでしょうか?このような特約が有効になるのかが問題です。

この点については、参考になる判例があります。最高裁昭和43年11月21日の判決によると、「建物の賃借人が破産宣告の申立を受けたとき、賃貸人が直ちに賃貸借契約を解除することができる特約は、借家法1条の2(現借地借家法28条)の規定の趣旨に反して無効である」と判断されています。

このことによると、賃借人の破産を理由として賃貸借契約の解除を認める特約を定めても、無効になる可能性が高いです。

以上より、賃貸物件を借りているとき、破産をしても賃貸人から一方的に解除されることはないと考えてかまいません。

2.賃料滞納がある場合

賃借人が破産したというだけでは賃貸借契約の解除はできませんが、賃料の滞納がある場合には状況が異なります。実際、破産をするような状態の人は、賃料も数ヶ月分以上滞納していることが多いですが、この場合、賃借人の債務不履行があると認められるので、賃貸人の方から債務不履行解除をすることが認められます。

ただ、賃貸借契約はお互いの信頼関係が重視されるタイプの契約なので、家賃滞納が1ヶ月あっただけでは解除は認められません。最低3ヶ月は滞納期間が必要ですし、6ヶ月分程度の家賃滞納があると、かなり確実に解除が認められやすいです。

 

このように、賃貸借契約中にいきなり賃借人が破産したら、大家は驚いてしまいますが、ケースに応じて適切に対応すべきです。困ったときには弁護士に相談しましょう。


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