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共有不動産の相手の持分のみが競売になった場合どうすればよいですか

共有不動産の相手の持分が競売にかかった場合の対応方法としては、自分が相手の持分を買い取って、相手の債務を支払うことにより、競売を取り下げてもらう方法が効果的です。

回答者:弁護士 大澤 一郎

相手の持分が競売にかかった共有不動産

以下では、その理由をご説明します。

共有不動産の相手の持分が競落されたらどうなるか?

そもそも、共有不動産の相手の持分が競売にかけられた場合、放っておくとどうなるのかが問題です。
この場合、競売にかかっているのは相手の持分だけなので、放っておいても自分の持分が失われることはありません。

ただ、共有持分を競落した競落人が新しい共有持分権者となると、その後、他の共有者(自分)に対して持分の買取りを持ちかけてくる可能性があります。このとき提示される買い取り価格は相場より低いことが多いですが、こちらが売却を拒絶すると、共有物分割請求をされてしまいます。
こちらが共有物分割に応じないでいると、共有物分割訴訟を申し立てられて、裁判所の命令により、不動産全体が競売にかかってしまうことがあります。
そうなると、不動産は市場価格よりも安い価格で売却されて、自分とその新たな持分権者が持分割合に応じて売却代金を分配することになり、不動産は失われてしまうことになります。

共有不動産持分の任意売却とは

共有不動産持分の任意売却

共有持分だけが競売にかかったとしても、放っておくとトラブルが起こり、将来的には不動産が失われるおそれが高いです。
このような結果を防ぐには、競売で共有持分が競落される前に、自分がその不動産を買い取る対処方法が効果的です。
このように、競売にかかった不動産を任意に買い取る(売却する)ことを、不動産の任意売却と言います。
任意売却をすすめるときには、現在の共有持分権者と抵当権の設定者との間で、持分買取りについて話し合いをすすめる必要があります。

原則的には、抵当権の被担保債権の価格を支払うことによって抵当権を抹消することを要求されますが、競売になると、市場価格よりも大幅に低い価格でしか持分は売却できないのが通常です。
そこで、抵当権者は、必ずしも市場価格に満たなくても、また被担保債権の全額に満たない価格であっても、競売を取り下げてくれることがあります。

つまり、持分買い取り価格を決定する際に、「競売にかかった場合よりも高い金額」を提示すれば、たとえそれが被担保債権全額に足りなくても競売を取り下げてくれる可能性があると言うことです。

このように任意売却(買取)に成功すると、そうなると、自分が新たに共有持分も入手することができるので、他に共有者がいなければ不動産全体を所有することも可能です。
共有持分のみが競売にかかった場合にはとても役立つ知識なので、是非とも覚えておきましょう。

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