Q.担保付の不動産の持分を買い取る場合の価格はどのように決めればよいですか

A. 基本は不動産全体の価格から持分割合価格を決める

 

他の共有者から共有持分を買い取ろうとするとき、その不動産に担保権がついていることがあります。
このようなケースでも、持分を自由に買い取ることができるのでしょうか?
不動産に抵当権が設定されていても、その不動産の売買は自由にできます。このことは、不動産の持分のみの買取りでも同じです。

 

そこで、不動産持分の買取り自体は可能ですが、そうなると、次に買い取り価格が問題です。基本的には、不動産全体の価格を計算して、その価格を持分割合に応じて割り算します。たとえば、不動産の価格が5000万円で、相手の持分が5分の3の場合には、持分価格は3000万円とするのが基本です。

 残債務を価格から差し引けるか?

不動産に抵当権が設定されている場合には、その残債務が残っている限り不動産が競売にかかる可能性があります。
そこで、抵当権つきの不動産持分を買い取る場合、抵当権の残債務の価格を売買価格から差し引くことができないかが問題となります。
たとえば、不動産の価格が5,000万円、相手の持分が5分の3、抵当権の被担保債権残額が2,000万円の場合、持分買い取り価格の計算で

5,000万円-2,000万円=3,000万円

を基準として、

3,000万円×5分の3=1,800万円

とすることができるのかという問題です。

これについては、差引を認めないとする裁判例があります。(京都地裁平22.3.31)
そこでこのケースでは2,000万円の差引は認められず、持分買い取り価格の基本は、5,000万円×5分の3=3,000万円となります。
(ただし、事案によっては裁判例と異なる結論になることがありますので専門家への相談が必要です。)

担保権を抹消しないことの危険性

抵当権がついている不動産の共有持分を買い取る場合、自分のもともとの共有持分にも抵当権が設定されている場合にはあまり問題になりませんが、買い取る相手の持分のみに抵当権設定が行われている場合には、注意が必要です。

このようなケースでは、相手が相手自身の借入のために、相手の持分に抵当権設定していることが多いですが、共有持分をこちらが買取ると、相手は支払をしなくても不動産を失うリスクがなくなるので、その借金を支払わなくなるおそれがあります。
そうなると、債権者は、こちらが買い取った相手の共有持分に対して競売を申し立てる可能性が高く、不動産が競売にかかって失われてしまいます。

そこで、買い取りを行う共有持分のみに抵当権が設定されている場合には、持分の買取りに際し、抵当権が抹消されるために必要な対処をとっておくことが大切です。

具体的には、買い取り金額から被担保債権残額を支払って抵当権を抹消するため、支払ができるに足りる買い取り価格に設定する必要があります。
不動産価格から相手の持分価格を計算した価格が、被担保債権残額に足りない場合には、不足分を上乗せしてもらう必要がありますし、それが無理なら自分で残額を支払うことにより、抵当権を抹消しておかないと危険です。


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