Q.共有不動産の持分を単独で売却できますか
A.共有不動産の持分を単独で売却することはできます。ただその場合、いろいろなリスクがあることには注意が必要です。
1. 共有不動産の持分を単独で売却できる
不動産の共有持分者となっている場合、自分一人では不動産を自由に活用することができず不便です。たとえば、不動産を修繕するだけでも他の共有者の持分過半数の同意が必要になりますし、不動産の抵当権を設定してお金を借りたいと思っても他の共有者全員の同意が必要です。不便なので不動産を売却したいと思っても、他の共有者が不動産の売却に応じてくれなければ、それもできません。
このように大変不便な共有状態ですが、自分の持分だけであれば、単独の判断で売却することができます。不動産の持分権者は、自分の持分については完全な処分権を持っているので、他の共有者の意思に関係なく処分をすることができるからです。
共有持分を売却する場合、他の共有者にそのことを通知する必要すらありません。
2. 買い手を探すのが難しい
不動産の共有持分のみを売却するときには、いくつか注意点があります。まずは、共有持分のみを買い取ってくれる人を探すのが大変難しいという問題です。
共有持分を持っている場合、不便だから売却したいと言うことが多いですが、それは、買い取った人にとっても同じことです。
わざわざ面倒な不動産の共有持分だけがほしい、という人はなかなか見つかりません。
共有持分を売却したい場合、まずは購入希望者を探すことからして難しいことが多いです。
3. 買値が安くなる可能性が高い
共有持分だけを売却するとき、ようやく購入希望者が見つかったとしても、その買い取り価格は非常に安くなることが普通です。
共有持分は活用が難しいので、買い取った人にとってもメリットが少ないです。そこでそのデメリットが価格に反映されて、買い取り価格が安くなります。
共有持分買取を専門にしている共有持分買取業者もありますが、このような業者に買取を依頼すると、不当とも言えるほどの安値で提案されることもあります。
不動産の相場価格を知らないまま不当な安値での不動産売却に応じてしまうと、大きな損をしてしまうおそれもあります。
4. 共有者とトラブルになるおそれがある
共有不動産は、親族や家族同士で共有していることが多いです。このようなケースで、他の共有者に黙って共有持分のみを売却すると、後に他の共有者にバレてトラブルになることがあります。
売却したときにすぐに持分の売却がバレるわけではありませんが、その後、登記事項証明書を確認する機会があったり、共有持分を買い取った業者が他の共有者にその人の共有持分買取を持ちかけたりすると、すでに自分が共有持分を売却してしまっていることが判明します。
夫婦や親子、兄弟などで不動産を共有状態にしている場合には関係が悪化する可能性もあるので、特に共有持分のみの売却の際に慎重になる必要があります。
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