Q.夫婦が離婚した後に共有になっている不動産についての共有物分割訴訟は可能ですか

A.夫婦が離婚した後に共有になっている不動産について、共有物分割訴訟を起こすことは可能です。

1.離婚した配偶者にも共有物分割訴訟ができる


夫婦が離婚した後も、不動産が夫婦共有名義になっていることがあります。

たとえば、財産分与の話合いをきちんと行わなかった場合や、財産分与をしたけれどもその結果夫婦共有にとどめることもあります。

 


しかし、共有名義にしたままだといろいろな不都合があります。

自分一人では不動産に変更を加えることができませんし、売却や賃貸などの活用も自由に行うことができません。

そこで、この場合には共有物の分割を元の配偶者に請求することができます。
共有物の持分権者は、いつでも他の共有者に対して共有物分割請求ができるとされているからです。(民法256条1項)

ここで、共有物分割請求の相手方について、特に「元夫婦であってはいけない」などの制限はないので、元の夫婦でも共有物分割請求手続きが可能です。

2.共有物分割訴訟を起こす前の注意点

元の配偶者に対して共有物分割請求をする前には、いくつか注意点があります。
まずは、財産分与が未了のケースです。この場合、共有物分割請求をするよりも、まずは財産分与請求をする方が望ましいことがあります。

たとえば、夫婦共有財産が不動産だけではなく預貯金や生命保険などの他のものもあり、総合的に分割する必要がある場合などです。この場合、不動産だけを分割対象とすると、解決方法も限られてきますし、別の財産についての分割が行われないので不均衡な結果になってしまうおそれがあります。

また、相手が後で財産分与請求をしてきたら、二度手間になります。
離婚後でも、2年間は財産分与請求をすることができます。
そこで、離婚後2年以内で財産分与がまだの場合には、不動産に就いての共有物分割請求をするのではなくまずは財産分与請求をしましょう。

なお、財産分与請求ができる場合であっても、共有物分割請求ができないということはないので、財産分与請求をせずに共有物分割請求を行うこと自体は可能です。

3.まずは話合いが必要

離婚後、元の配偶者に対して共有物分割訴訟を行う場合には、もう1つ注意点があります。それは、共有物分割請求では、いきなり訴訟をすることができないことです。

まずは、共有物分割についての話し合いをして、合意ができなかったときにはじめて共有物分割訴訟を利用できます。
離婚後の相手と関係が悪化していて話し合いをしたくない場合でも、いきなり裁判を起こすと「話合いができていない」と主張されて裁判で不利になるおそれがあるので、まずは協議をしてから訴訟手続きに踏み切るステップが必要です。


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