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共有物分割請求とは何ですか

共有物分割訴訟とは、共有物を分割する方法を裁判所で決めてもらうための訴訟手続きです。

回答者:弁護士 大澤 一郎

共有物分割訴訟のための手続き

共有物分割訴訟が必要なケース

不動産を共有している場合には、共有持分権者は、原則的にいつでも共有物の分割を請求することができます。
このとき、まずは他の共有持分権者との話合い(協議)によって共有物の分割方法を決めるのが原則です。

しかし、他の共有持分権者が共有物の分割に応じない場合があります。また、分割することには応じたとしても、分割方法について折り合いがつかないケースもあります。

このような場合には、話合いによって共有物の分割を行うことができないので、分割を求めるものは、裁判所に対して共有物分割訴訟という訴訟を起こすことにより、共有物である不動産を分割してもらう必要があります。

共有物分割訴訟の流れ

まずは協議を行う

共有物分割訴訟を起こす場合には、共有物分割協議が不調になっていることが必要です。協議なしにいきなり訴訟を起こすことはできません。ただし、協議をしても折り合いがつかないことが明らかな場合には,協議を経ずに訴訟を提起することもできます。

共有物分割訴訟の方法と流れ

共有物分割訴訟は地方裁判所宛に提起する必要があります。この時の管轄裁判所は、対象の不動産がある地域を管轄する地方裁判所か、被告(共有持分権者)の住所地を管轄する地方裁判所です。さらに、共有持分権者全員を相手にする必要があります。複数の共有持分権者がいて、争っている相手と争っていない共有持分権者がいる場合には、争っていない人も含めて共有物分割訴訟の被告にする必要があります。そこで、争っていない持分権者がいる場合には、関係が悪化しないように、事前に訴訟を起こすことを告げておいた方が良いでしょう。

また、共有物分割訴訟には、裁判所に納める手数料と郵券が必要です。手数料は収入印紙を貼付する形で支払いますが、対象の不動産の評価額によってかかる費用が異なります。
訴訟が起こると、被告に対して口頭弁論期日の呼出状が送られて、裁判所で期日が開かれます。
ここで、不動産をどのような方法で分割するかについて、当事者が自分の意見を述べ、主張と立証を展開します。裁判期日はだいたい2~3回程度、開かれるケースが多いですが、5回以上のこともあります。裁判所は当事者の主張と立証の内容を総合的に判断して、判決によって、共有物の分割方法を決定します。訴えの提起後判決が出るまでの間は、だいたい半年~1年位です。

以上のように、共有不動産を分割するためには、まずは相手との話合いによって分割方法を決めますが、最終的には共有物分割訴訟によって裁判所に分割方法を決めてもらう必要があります。
裁判手続きを自分ですすめるのは難しいことが多いので、困ったときには、弁護士に相談することをおすすめします。

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